~お客様は神様じゃない?!~

こんにちは!

人は生まれたときからみんなダイヤモンド✨✨✨

観察力・共感力・表現力の3つのチカラで
あなたの接客力とコミュニケーション力をアップさせる
キャリア研修トレーナー 岩村良恵です(^^)

今日はグローバルな視点での接客において
私が現場で学んだ考え方についてお話します。

それは

「接客する人とされる人は
 として対等である」

という考え方です。

ところで、日本には

「お客様は神様です」

という言葉がありますね。


お客様が上、接客者が下、が基本。

お客様にご満足いただけない状況では
とにかく平謝りに謝る、という接客が一般的です。

でも私自身、外資系のエアラインで働いていて
多国籍のCA仲間たちとチームで働く中で
そんな日本人的な接客を徹底することで
何度か「気まずい」思いをしたことがあります。

今日はそんなエピソードをお話したいと思います。

遅延はあなたのせいじゃないのよ

それは成田発ロンドン行きのフライトでのこと。

午前10時半、お客様を機内にご案内して出発準備も整い
あとはゲートから離れるのを待つばかり

そんなタイミングで
機長からアナウンスが入りました。

” Ladies and Gentlemen, this is Captain speaking.
I regret to announce that…”

(機長からご案内いたします。誠に残念ながら・・・)

この喋りだしのときは、よからぬ合図💦
なんと、エンジントラブルが勃発です(><;)

どよめくお客様の声を背に、私たち乗務員は
一刻も早くエンジンが回復するのを祈るばかり。

でも、

その祈りも虚しく、なかなか復旧が見込めず
飛行機は満席のお客様を機内に閉じ込めたまま
2時間近く立ち往生となりました。

そんな折、呼び出しチャイムが鳴りました。

恐る恐るお座席へ伺うと
ものすごい形相のお客様(日本人男性)から
大声で怒鳴られました。

「おい!一体何時間待たせるつもりだよ!
 いい加減にしろ!!!」

私は深々と頭を下げて謝ります。


「大変申し訳ございません。
 ただいま、復旧作業を進めておりまして・・・」

するとお客様が畳みかけます。

「そんなこと聞いてねえ!
 こんな状態で客を乗せるなって話だよ!!!」

またまたペコペコと頭を下げつつ謝り倒す私。

「はい、お客様の仰るとおりでございます。
 ただ、作業が完了次第、すぐに出発準備に移れるよう
 お客様にはこのままお待ちいただくことになり・・・」

と、なんとも歯切れの悪い説明💦

そんな私の態度に逆上したお客様から、さらに一撃。

「すぐに出発ってもう2時間も経ってるじゃね~か!!
 着いたらすぐに商談なのに、お前、責任取ってくれるんだろうな!」

よほど大切な商談が控えていらっしゃったのでしょう。
目を血走らせて怒りまくるお客様を前に
ついに私がひざまづいて謝ろうとしたそのとき

“Yoshie. Come here!” (ちょっと、来なさい)

とギャレー(機内のキッチンエリア)から私を呼ぶ声が。

その便のアシスタントパーサー、Erica でした。
彼女もかなり怖い顔です。

(どっちもこっちもイライラしてる~!!と冷や汗💦)

すると、

Erica は私にこう言ったのです。

“What are you apologizing over and over again for?”
(何をさっきからペコペコと謝ってるの?)

私はEricaに状況を克明に伝えました。
(お客様のお怒りはごもっとも!と思いながら)

すると、

Erica の反応は驚くべきものでした。
彼女はなんと、こういったのです。

“This delay is not your fault.”
(この遅延はあなたのせいじゃないのよ)

「え???」

という感じでした。

もちろん、私個人が引き起こした遅延ではありません。

でも、

客室乗務員は “会社の代表” として
お客様のお怒りや不満を一手に引き受ける存在である
というのが日本人である私の認識だったのです。

“I know but we are supposed to apologize
on behalf of our company in this situation, aren’t we? ”
(それはわかってるけど、こういう場合
 私たちは会社の代表として謝るべきよね)

すると、Ericaの口からさらに驚くセリフが。

“Of course we never hope this situation, either.
But all we can do now is just wait until we can fly safely.”
(そりゃ私たちだってこんな状況は望んじゃいないわよ。
  でも、今は安全に飛べるまで待つしかない。)

そして、さらにこう続けました。

“I think this is what an aircraft is like.
Once airborne, no one can fix it. He has to be reasonable.”

(それが飛行機という乗り物なのよ。一度飛び立ったら最後
 修理はできないわ。彼もそれを理解しなきゃ。)

実際はもう少し厳しい口調だったような・・・(^▽^;)

つまり、

たとえ相手がお客さまであったとしても
人として “reasonable”(理性的で分別がある)であるべき
という主張なのです。

そのとき、私はErica から

「一度しっかりとお詫びして状況を説明したなら
 それ以上 “Slave” (奴隷)のようにお客様にひざまづくなかれ」

ということを懇々と言われた記憶があります(^^;)

いかにも欧米的だな~、と感じました。
日本人にはあまりない感覚です。

でも、一方で

確かに彼女の言っていることも一理あるな
と感じる部分もありました。

なぜなら飛行機は巨大な精密機械。
小さなネジ1本の緩みが、大惨事につながることがある。

定刻を守ることが当然の任務である反面
安全を確保することもそれ以上に重要。

この二律背反をどう扱うのかが
エアラインスタッフの課題であり
プロとして一番の腕の見せどころです。

一方で、

お客様と接客スタッフの関係。

ビジネスの立場上はもちろんお客様が上。

でも、

人としては対等であるべき

というのが欧米流の考え方なんだな~と。

そういえば、

12年半乗務しましたが
飛行機の遅延があったとき
欧米のお客様から逆上された経験は
ついぞ一度もありませんでした。

このときのEricaの言葉に
日本人CAとして、どう振る舞うべきかを
改めて考えさせられました。

このエピソードを聞いてあなたはどう考えますか?

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